今の社会は、企業が利益をあげる目的で、会社を経営することで成り立っている。
ほとんんどの人間が従業員として会社で働いている。 社会は、会社組織というコミュニティーで構成されている。 そして、従業員は、賃金によって生活しているが、この会社のあり方、特に従業員が働くことに、どれだけの生きがいを持てるかが重要である。
従業員には、人間としての尊厳と機会の平等が保障されるべきである。
そういうマネジメントができる会社が優良な会社である。
企業経営によって現代社会は成り立っている。
だから、企業はこの産業社会の主役として、社会的責任を果たさなければならない。
この「企業とは何か」は、ドラッカーがアメリカの最大自動車メーカーGMのマネジメント、主に人事労務を、GMの全面的協力のもとに、現場に入って、調査し研究したことをまとめた本でもあります。
そして、GMのマネジメントの核心は「分権制」であり、ドラッカーは、GMのこの分権制を高く評価しています。
この本は、1946年が初版です。マネジメントを体系として叙述した最初の本であり、いまでも大学の経営学やビジネススクール等の教材となっています。
また、フォード再建の教科書、GE(ゼネラル・エレクトリック)改革の教科書ともなったとも言っています。しかし、GMは、この本でのドラッカーの提言をすべて無視したと言います。