2022年1月31日月曜日

読書)やばい経済学

 やばい経済学、非常に面白い本です。経済は実態で、動いていること、をよく理解しないといいけない。例えば、保育所の子供のピックアップに遅れることに対して、罰金を3ドルとる、とすると、逆に遅れる父兄が増える、これは罪悪感覚から遅れまいとしていたひとたちが、3ドル払うんだから、遅れてもいいと逆に開き直ってしまう、3ドルという金額が安すぎるということよりも、3ドル払ったから遅れてもいいだろ、となる。

また、犯罪率がなぜアメリカで減少したのか、様々なひとがさまざまな説を唱える、例えば、警察の見回り、パトロールが増えた、のが原因なのか、

実はそうではなく、一人の女性が訴訟を起こしたことが原因だった。二人の子供を産み、三人目を身籠っていた女性が、中絶を希望するも当時のアメリカでは中絶はほとんど認められない。そこで訴訟を起こす。それが認められた。それがなだれをうち、様々な州が中絶を認める。その結果、親がいない、両親に十分育児をしてもらえない子供が減り、犯罪に走る人々が減ったのである。それが結果として、犯罪予備軍を減らし、アメリカの犯罪率は減少する。1973年ごろの話である。

また、黒人には変わった名前が多い、これは黒人居住区の特徴で、変わった名前をつける。以前はマイクなど一般的な名前をつけていたが1960年代からの黒人至上主義から、変わった名前を付けるようになった。ところが名前を付けるにあたり、同じ発音でも様々なスペル、などが現れたり、とユニークさは極めて言った。こうした現象が貧窮地域で特にみられるようになったのである。そして、こうした名前は、企業の就職アプリケーションにおいて、その多くは選考からはねられている。日本のキラキラネームと似た現象だ。それが結果として、就職難、貧しさに又つながる。

こうしたからくり、これが現実の経済のからくり、である。

そんな様々な事例が述べられていて、大変面白い本だった。本は映画にもなっている。

大変有意義な本だ。

人が動くことはインセンティブ、経済を動かしているのはインセンティブなのである。そのインセンティブがどこにあるか、を知らないと、からくりを理解して経済を動かすことはできない。


♯ヤバイ経済学


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