読書）世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか？

大変面白い本でした。

第一章は論理的理性的情報処理スキルの限界について述べている。
企業経営は、アート、サイエンス、クラフトの３つのバランス、
サイエンスとクラフト中心できたビジネス
しかしながら、この２つで出た世界はレッドオーシャンになると述べている。
確かに昔のソニーの井深さん、盛田さん、大賀さんは感性で意思決定していただおう。論理の選択にはアート、直感が必要だ。論理をつきつめたうえで最終的にはアートで決めなければならない。これはすごく納得性がある話だ。

つまり、ロジカルであることは当たり前なのであって、それを超越したところにし、ブルーオーシャンはなく、そこにいくにはアートが必要なのである

第二章は巨大な自己実現欲求市場だ
アップルなどのブランドに代表されるように、自己実現欲求市場というのは大きく、ここには背景にブランド価値がある。意味的価値が大きい市場は存在しており、持つことで自己実現を満たすという市場はこれからも大きくなるだろう。そこにはアートを刺激するストーリが必要なのだ

第三章　システムの変化が早すぎる社会
ＩＴによって、ビジネスモデルの変化が早く、その結果、法とルールが後追いするという現象がおきている。そのため、いまあるルールだけではなく、先端のビジネスを進めていくビジネスマンは自らのなかに美意識としてのルールをもたないとけない。
それは自らのなかに倫理観のものさしを持つということだろう。これは事業に対してビジョンをもち、社会的価値、ＥＳＧなどの観点で自らをチェックしていくことが必要と考えた

第四章　脳科学と美意識
リーダーには自己認識力が最も大事だ。そのためにはマインドフルネスが大事なのではないか。自分に商店をあわせ、瞑想していくこと、脳科学でも瞑想は重要といわれている。
ＭＥＤＩＴＡＴＩＯＮ，これがビジネスマンには求められている。瞑想が脳にいいこと、瞑想時に多くの発明が行われてることは様々な事例で実証されている。

5章　受験エリートと美意識
既存のシステムにしたがって、ヒエラルキーをあがっていく、これはいってみればハムスターのようなものだ。もっと客観的に現在のシステムを俯瞰する、できる美意識を自ら持つ必要があるといっている。

6章　美のものさし
自らが美のものさしをもち、人を感動させる美を追求しなければならない、これはマツダを事例に述べられている。大変納得性がある話だった。過去の日本車であれば性能での受賞であったが、マツダは明らかにそのデザインの先進性、で受賞している。それを支えたのが前田氏だという

第7章　どう美意識を鍛えるか
最後はその美意識はどう鍛えられるか
それには他人の視点を知ることだという。これは納得だ。
ノーベル賞受賞者の多くがアートの趣味をもつ。大人になると読むということからパターン認識を自然と行う。これが見る力、子供のような観察力を失っていくもとになっている。子供のような感性、芸術的趣味をもつことにより、常にアートの能力を高めたいと思った