2022年3月4日金曜日

読書)ファイナンス思考 朝倉祐介

 非常に面白いし、実務に役に立つ内容に富んでいる本だと思いました。日本人のビジネスマンに長らく定着しているPL脳は、日本企業の成長に大きなキャップをかけていると思います。そう思っていること、それが非常にわかりやすく解説とともに描かれており、身をもって感じていることが明文化されているので気持ちがよかったです。PLはわかりやすいのですが今期小手先で利益を出すことに努め、将来の投資をしない、という負のスパイラルに陥ってしまう。今期よければいい、今期どうにか数字を出す、この長らくのPL脳の負のスパイラルが日本の会社に限界を設けてしまった。将来のために投資をし、大きな成長を期待しながら、備える、そういった思考になることが必要である。そのためにはファイナンス思考が必要であり、借金をしないのがいいことなのではなく、借金をしてもレバレッジをかけて、将来のために大きな成長を目指すことが必要なのだ。財務状況を気にするのであれば無借金であることを目指すのではなく、財務レバレッジをかけ、借入をしても大きな成長を目指すべきだ。


ファイナンス思考を取り入れて、成長を実現している企業として、アマゾン、コニカミノルタなどの事例が述べられている。アマゾンはベゾスのAWSに関する意思決定は、意思決定はすごいと思った。ストレージ単価を決めるのに、採算割れの金額を提示し、参入障壁を高め、競合が入ってこれなくした。利益が取れる価格体系にしたら、競合が増え、レッドオーシャン化してしまう。そのため、競合が入れない状況を作り、先行的に独占的立場を築きあげた。コニカミノルタっは必要なキャッシュフローを割り出し、複合機をコア、さらに新しい事業としてアンブリージェネティックスなどの買収を行った経緯が述べられている。対してPL脳にそまってしまい、失敗した企業の事例も述べられている。非常に参考になる本であった。


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