冨山和彦氏が書いた大変わかりやすいガバナンスに関する本である。ガバナンス経営とは何か、ということについてその正体をわかりやすく解説している。そして実践するための論点を導いている。戦後、日本企業は高成長を実現してきた。そこでなおざりにされたのがガバナンス。過去、20年から30年でその時価は暴落、成長はとまり、失われた20年、30年といわれている。時価総額の低下と国内雇用シェアが低下し、活力が低下した。そして14年くらいから制作レベルでもガバナンスに対する注目度があがり、活力をつけはじめてきている。ただまだ途上である。
本書では、比較制度分析の視点もいりえ、青木昌彦氏や、大塚久雄氏の経済学者の研究を包含し、多面的に述べられている。
まず、日本企業が稼ぐ力が衰えているおとについてのべている。ガバナンスというと守りの視点が強いが実は攻めのガバナンスが必要なのである。ステークホルダー主義に立脚したエクイティーガバナンスを強くすべきと述べている。次にコーポレートガバナンスの基本は、会社法に基づくものの、経営陣が健全な会社経営を行うことが基本であり、監査役がその適正を監督することが大事と述べている。この仕組みはおざなりになっていないだろうか。
そして、取締役会のガバナンス改革が大事だ。社外取締役会も入り、健全に意見を戦わせ、社外の目もいれた意思決定が行われることが大事だ。そのモニタリングが大事なのである。
JPX日経インデックス上場企業3400社から投資家にとって魅力の高い企業400社を選んで発表するJPX日経インデックス400の発表から、ガバナンスに対する意識が高まった。14年2月には金融庁によってスチュワーシップコードが制定され、機関投資家が資金提供者の中長期的リターンを拡大するために、ガバナンスに対する責任が明記されている。そして、14年6月には会社法が改正されている。そのなかで社外取締役を実質的魏ウづけるということで、社外取締役の採用が義務付けられた。
#これがガバナンス経営だ
♯富山和彦
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