2022年3月5日土曜日

読書)コーポレートトランスフォーメーション  冨山和彦

 コーポレートトランスフォーメーションについての大変参考になる本だ。日本経済をどのように復興させていくべきかについての記述がなされている。コロナ危機は、実は日本にとっては最高のチャンスである。デジタル時代、アナログのすり合わせに強かった日本型経営は壊滅した。そこで多くの企業がデジタルトランスフォーメーションを唱えているが、実はこれは日本企業とはきわめて相性が悪い。日本型の組織は同質性の集まりであり、デジタルとはきわめて相性が悪い。同質性で意思決定していく日本型組織は、異質な意見を取り入れながら、新しいイノベーションをすさまじいスピードで進めていくデジタル型の組織にはかなわないのである。終身雇用、同質集団、どれも相性の悪いものばかりである。となるとCX、つまり、会社をかえないといけないのである。会社をどうしたら、根こそぎ変えることができるのか。それは会社の憲法を大改正しないといけない。

そこで肝となるのがローカル経済圏であり、会社の構造改革にある。そのなかで個人が大きく変わらないといけない。個人の考え方が大きく変わらないとCXは実現できないのである。

日本には地方経済にこそチャンスがある。日本企業は廃業率が他国と比べて圧倒的に低い。そのため、過剰競争になり、一つ一つの企業が利益を得ることができない。そのため、賃金もあがらない、生産性を上げる投資もできない。日本には強い現場があるが本社力が弱い、そのため、現場力を生かせない。こうしたことを考えると、地方に対して優秀な人材を配置をし、地方企業の構造を変えていくこと、淘汰を促し、規模を大きくしていくこと、CXにより本社力を強くする、様々な人材を集め、トランスフォーメーションを進める力をつけることにより、地域のCXひいてはDXを進めていくことが日本が成長するチャンスだと思う。


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