2022年2月9日水曜日

読書)橋本 徹 交渉力

 大変面白い本でした。交渉力って何かのか、考えさせられますね、交渉力というのは自分が何が最も妥協できないことなのか? 譲れないことは何なのかを最初に決めることがとても大事だと思いました。それがあって初めて、具体的な交渉に入ることができる。交渉の過程では抽象論では、話がどこまでいっても平行線になる。そのため、粒度をおとし、具体化をしていくことが大事。教育改革を大阪で行った際、妥協できそうなポイントを具体化していった。教育予算が厳しいこと、現状から、知事みずからの給与をカットし、処遇のカットにも踏み切る。こうした根強い交渉が打開策を生む。例えば関西空港、伊丹空港についての話も面白かった。国からの補助金を打ち切ってほしいという交渉カードを切り、国交省があせる、それに対して、具体化されていなかった関西空港までの鉄道についての具体化を国交省にせまり、鉄道の具現化、具体化を実現している。2030年の実現とのことだが、鉄道を実現することは並大抵の力ではできない。

国の直轄事業はぼったくりバーだと物議をかもし、明細なき不明朗会計について批判をした。こうした公然とした批判は地方自治体の長からは過去でていなかった。それからこの国の直轄事業はおかしいのではないかという疑問がわっきあがった。すべてはこうした疑問を呈すること、からはじまる。日本では、おかしいのではないかと思っていることでも疑問を感じず、みんなが疑問を感じながら、制度として残ってしまっていることがある。

地方自治体の自主性、自律性というのが問われているなか、あるいみ一石を投じる知事だったと思う。確かに大阪都構想は、直接選挙で、民に問う形で負けてしまったが、わたしはこうした問題を大阪の人々に直接なげかけ、直接選挙で賛否をといたことは大きかったと思う。

そうした橋本氏の知事として、市長としてのキャリアに生きていた交渉力、生きた話として大変面白く読ませていただいた。


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