米中対立の先鋭化を背景に国家を守る戦略活動と企業が進める商業活動との仕切りが氷解しつつあるため、経済安全保障推進法案の重要性はますます高まっている。他国の政治、軍事の圧力や攻撃から経済力を使っていかに守るかが課題となる。
外為法、財政法、独占禁止法、特許法などにおいて、特別の規律の適用が検討されるだろう。コーポレートガバナンスコードにおいても、安全保障関連事業については、株主への情報開示など不適当な規制が散見され、国家の安全保障の観点から適用除外が至当だ。
また、国の安全保障のためには、企業と長期契約を結び、開発費用を負担することによって、企業が安全保障に資する財・サービスの供給を拡大できるように支援する施策が考えられる。また、サプライチェーン網の多くが中国に握られている。その危険性に震撼したが、半導体など戦略的に重要なる物資については、国際分業体制を見直し、国産化を拡大するための産業政策が必要となる。
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