2022年2月19日土曜日

読書)参謀の思考法  荒川 詔四

 非常に印象深い本でした。荒川氏はファイアストンの買収などで社長の参謀として、その実現に寄与し、その後CEOとなった方。同氏の参謀としての経験はその後のCEOに向けてのキャリアパスとして非常に大きなものであったことを痛感した。同氏が語るのは上昇欲があまりなかったということによる企業人としての公明正大な思考だ。何が本当に会社にとって大事であるのか、おかしいと思うことは率直に上位の方に対しても質問をしていった。政治、派閥というものは組織である以上は必ずおきる。松下幸之助の本からの引用でもあったがそれはなくすことはできない。しかしながら、そうした組織でおきる人に対する選り好み、派閥などの存在を認めながらも、如何にフェアな意思決定ができるかだと語っている。また、現場は日々かわる生き物だと語る。本社と現場の間に存在する距離感を理解し、日々起きる現場の課題を理解をし、現場とのコミュニケーションを日々行うことにより、現場のひとたちがはらおちする形でのコミュニケーションを行うことが大事という。また、印象深いのは良い参謀になれることは良い経営者になるためには必要だという。彼は参謀タイプだったが彼は経営者としては素質がなかった、ということが時折言われることがあるが、それは良い参謀ではなかったということ、と述べる。参謀は私心をなくし、会社にとって何が最も良い判断なのかを考えられないといけないという。参謀としての資質を磨くことはそれイコール良い経営者になる条件であるということも印象深い主張であった。


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